睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome(SAS))の2大症状は、
SAS患者では1晩に30回以上、重症例では何百回も、
短い睡眠 → 10秒以上の無呼吸(気流停止) → 覚醒反応 → 呼吸再開(換気)
というエピソードを繰り返すことで、睡眠時間の不足とともに問題となるレベルの眠気を引き起こし、場合によっては、居眠り運転事故や仕事上の大きな失敗の原因となります。
また回数の多い無呼吸では、急性症状として低酸素血症、高炭酸ガス血症、血管攣縮や不整脈までおこり、さらに慢性的な合併症として高血圧、肺高血圧などがあり、その結果死亡率を高める可能性があります。
原因はいくつかありますが、肥満の率が高い欧米では、その肥満が気道を狭くする大きな原因となっていると言われています。
一方日本では、肥満が原因であることは多くなく、それよりも下顎が小さい、後退しているといったことで無呼吸になりやすいとされています。
現在、鼻閉などの耳鼻咽喉科疾患がなければ、SAS治療の第一選択は鼻マスクを使用した nasalCPAP(NCPAP) です。
しかしながら、このNCPAP、
NCPAP以外に、大きな効果が期待できる治療法として、
スリープスプリントがあります。これは、私たち歯科医院で作製するものです。お口に入れるプラスチック製の装置で、小さなものですから、持ち運びに便利です。
上記のNCPAPようなの欠点がありませんので、きちんとした診断と調整ができれば、NCPAPに代わって、SASに対する第一選択
であるべきだとも、個人的には思っています。
このスリープスプリント、保険で治療可能なのですが、保険を適用するためには条件があります。
睡眠時無呼吸についてモニターできて、数値的に睡眠時無呼吸のレベルを測定し、私たち歯科医院にスリープスプリント作成依頼の診療情報提供書を書いていただける医科の病院に、まず行っていただかなくてはなりません。
写真のような、診断書と依頼書を書いていただいて、当院に持ってきていただければ、上顎と下顎の位置関係をしっかり診断し、その患者さんにあったスリープスプリントを保険で作製が可能です(残念ながら、歯科単独で保険治療はできません)。
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潜在的なSAS患者さんの数はかなり多いことはマスコミで取り上げられているとおりです。
本当に苦しんでいらっしゃるかた、写真のような診断書を書いていただき、ご来院ください。